海と毒薬

キュンタ大作戦2018の2冊目は、こちら。

遠藤周作さんの作品も読むのは初めてかもしれませんね~。覚えないですが…。

さて、プレゼントの二つ折りしおりはこちら。

こんな風に折って使うんですね~。かわいいですが、頭のアンテナが取れそうで心配です~。

時は戦後の復興期。「私」は新宿から電車で1時間程度の郊外に家を買って平凡な暮らしを始める…。街の人達ともだんだんと仲良くなるが…話題は戦争中に軍隊でどうだったとか、憲兵だったとか…それでも終戦を迎え、多くの人が過去を忘れ新たな時代を生きて行こうとしている…。「私」は肺を患っており近所の病院へ…ひょんな事から、そこのお医者さんは戦時中人体実験をしたという話を聞く…。

ここから、その街医者である勝呂(すぐろ)さんの大学病院での話になる。まだ戦争中で、B29が九州に爆撃に来る頃なので…まもなく戦争が終わる頃ですかね~。そこで、捕虜に対する人体実験が行われるのです。…ネタバレ的な事を言ってしまいましたが、これは実際にあった事件を題材に小説にしたもののようです。そんなわけで、なぜこういう事件が起きたのか…ということよりも、この事件に携わった人に焦点を絞って心の葛藤や心の動きを追っていきます。

勝呂さんや同僚の戸田さん、看護婦の…名前を忘れてしまった…など、一人一人の過去や心の動きが人間性も含めてあきらかになっていきます。戦争中じゃなかったら、どういう心の動きになっていたのかと思うと…悲しくもありますね~。たしかに、「何でもかんでも戦争のせいにするな」という意見もありますが…戦争初期ならいざ知らず、終戦間際になると…判断力というのも鈍ってきますから…戦争のせいにでもしないと自分を保っていられないのかもしれません。

こういった意味での戦争の被害というのは…結構ありますよね~。なんとなくですが、ヨーロッパや満州でも捕虜や難民に対して、人体実験が行われたという話も聞いたことがあります。さらに、そういった実験の結果が、現代医学に非常に役立っているという話も聞いた事があります。

戦争というのは…色々なかたちで命を奪い、必ず誰かを不幸にします。ホントに、あってはいけないものですね~。そして自分達は、そういった犠牲の上に生きているという事を忘れないようにしたいです。今、日本は平和ですよね~。「平和ボケ」なんて言葉もありますが…ボケちゃうくらい平和なら良い事ですね~。ずーっとボケていられるようにしていかないとなぁ~っと思います。

8月ですから、こういった本を読んで、ぜひ平和ボケを満喫して欲しいです。

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